設 立 趣 旨 書

 歴史を知ることは、過去を振り返ることである。しかし、学び・感じることによって、過去だけでなく、現在や未来を考えることにもつながる。私達は、本を読んだり、昔の建物を訪ねたり、様々な方法で過去にふれあうことができる。歴史には人々を惹きつける魅力があるのだ。

 しかし、「歴史を学ぶ」となると嫌がる人も多くなる。それは「教科書にある歴史」「覚えなければならない歴史」と感じているからであろう。

だが、歴史を学ぶことは、そんなに難しいこと、大げさなことではない。教科書には歴史上の有名人が数多く見られるが、本当に歴史を作ってきたのは、無数の名もなき人々・私たちの先人である。つまり、身近なものすべてが歴史であり、森羅万象すべてが過去から今につながっているのだ。




では、そんなに身近な歴史の楽しさ・面白さを知ってもらうためには、どうすればいいのであろうか。私達は、歴史を体で感じることができる「歴史体験学習」が有効な手段になると考えた。

 歴史体験学習は、これまでの方法よりも、「体を動かし」「触り」「感じる」ことで人々の生活をより実感し、生身の歴史を学ぶことができる格好の手段である。このような活動は、近年注目され、個々の自治体や博物館で行われ始めている。

 しかし、基本的に体験したい人が、それぞれの施設に出向いて行うことが多く、施設に行かない人、施設がない地域では、経験をする機会がほとんどないのが現状である。




 そこで、私達は「歴史体験サポートセンター楽古」を設立し、より多くの人や場所へ、体験する機会を提供・支援していこうと考えている。

 それは、子供たちから大人まで年齢を限らず、地域も限定しない。つまり、それぞれの世代に応じた体験、世代を越えた体験、地域に応じた活動を行う。

 そのことによって、生涯を通じた歴史体験学習、地域に根ざした歴史体験を提供・サポートできると考えている。

 さらに、特定非営利活動促進法に基づく法人格を取得することにより、現在の活動基盤を充実させ、継続した安定的な活動を行おうと考えている。

 そして、すでに関心がある人だけでなく、あまり関心がない人たちにも、歴史を学ぶことの面白さ・楽しさを提供していきたい。

 そのことが、より多くの人たちの歴史に対する関心を呼び起こし、現在から未来への精神的に豊かな社会の実現に貢献できると考えている。


                   2003年2月15日

             特定非営利活動法人 歴史体験サポートセンター楽古